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2021年8月19日木曜日

検証・東京2020「心の健康」…不安「打ち明けても大丈夫」な環境を

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検証・東京2020「心の健康」…不安「打ち明けても大丈夫」な環境を

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シモーン・バイルス(ロイター)
シモーン・バイルス(ロイター)

 異例ずくめの五輪で選手の「心の健康」に注目が集まった。16年リオ五輪体操4冠のシモーン・バイルス(24)=米国=は団体決勝(7月27日)の1種目目の演技後、「体と心を守りたい」と言い残して交代した。1週間後、精神的な問題から思うように体が動かせない症状「ツイスティ」を克服し、戻ってきた女王は種目別決勝の平均台で銅メダルを獲得した。

 バイルスにSNSで同調し「メッセージを送った」という女子テニスの大坂なおみが、スポーツ選手が抱える精神的問題に目を向けさせる大きなきっかけをつくった。全仏オープン開幕前の5月末「心の健康」を理由に大会期間中の記者会見拒否を表明。18年夏以降、うつ症状に苦しんできたことを告白し、スポーツ界以外からもさまざまな意見が飛び交った。一連の行動に関し、16日の会見でこう語った。

 「五輪期間中にいろんな選手から、私がしたことは素晴らしいと思う、と声をかけられ、とても驚いた。やはり自分の行動は誇るべきことで、やるべきことだったんだと思えた」

 大坂やバイルスら90年代後半以降の生まれは「Z世代」と呼ばれ、幼少期からネット環境が整った世代。SNSと親和性が高い反面、常に他人の視線を感じてストレスを抱えているとの分析がある。世代特有の問題のほか、コロナ禍の不安や葛藤、バブル生活の行動制限、4年に1度の舞台に立つ重圧が加わった精神的負担は計り知れない。

 男子テニスNO1ノバク・ジョコビッチ(34)=セルビア=のように「プレッシャーがなければプロ選手ではない」と公言できるのはまれ。競泳男子100メートル平泳ぎで2連覇したアダム・ピーティ(26)=英国=は「すさまじいプレッシャー」を明かし、休養を宣言した。

 心の内は当人にしか分からず、明確な解決法などあるわけがない。今回、日本選手団の心理的サポート相談窓口には約40件、うち4件が選手村からリモートで寄せられたという。

 米国体操協会はバイルス支持をすぐに表明し、半日後には極秘の練習環境を整えた。周囲がまずできるのは、不安を抱えた選手が「打ち明けても大丈夫」と思える環境をつくり、寄り添うことだろう。悩みを完全には理解できなくても、理解しようとしてもらえるだけで、少しは気持ちが楽になるのではないだろうか。

 自分の書いた記事に対するネットの書き込みを目にし、ひどく落ち込んだ経験も踏まえて、そう思う。

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