社会保障審議会医療部会(部会長:永井良三・自治医科大学学長)は8月5日、2022年度診療報酬改定における「基本方針」の議論を開始した。委員からは「コロナ禍で医療のあり方がそのものに影響があり、前例踏襲とは行かない」といった指摘が相次いだ。2021年12月ごろを目処に議論を進めていく(資料は厚生労働省のホームページ)。
事務局は「診療報酬改定は、(1)予算編成過程を通じて内閣が決定した改定率を所与の前提として、(2)社会保障審議会医療保険部会及び医療部会において策定された基本方針に基づき、(3)中央社会保険医療協議会において、具体的な診療報酬点数の設定等に係る審議を行い実施されるものである」と説明した上で、2020年度改定当たっての「基本認識」を振り返った。
2020年度改定に当たっての基本認識
・健康寿命の延伸、人生100年時代に向けた「全世代型社会保障」の実現
・患者、国民に身近な医療の実現
・どこに住んでいても適切な医療を安心して受けられる社会の実現、医師等の働き方改革の推進
・社会保障制度の安定性・持続可能性の確保、経済・財政との調和
国際医療福祉大学大学院教授の島崎謙治氏「基本認識はこれまで抽象度が高い総論的な意味合いが強かったが、今般の基本方針は前例踏襲とは行かない。コロナの影響が医療のあり方そのものに影響を及ぼしており、それに対しての認識を示さないと医療部会の見識、存在意義を問われる。医療提供体制や医療機関の財務状況、患者の受診行動の変化なども書くことが望ましい。コロナ対応では多額な補助金や診療報酬の特例も設けられており、その評価も必要。診療報酬は重要だがそれだけではないので、全体のビジョンを示した上で、診療報酬の位置づけを書き込むべき」と指摘した。
産業医科大学教授の松田晋哉氏は「医療と介護の複合領域が大きくなってきており、そこをどのように評価していくかが重要。コロナでもその部分の問題が顕在化した」、全日本病院協会副会長の神野正博氏は「平時の診療報酬と有事の補助金の切り分けをきちんと議論していかなくてはいけない」、日本病院会会長の相澤孝夫氏も「コロナ禍で明らかになった日本の医療の課題を書き込むべき。病院経営の悪さであり、入院の評価がどうあるべきかを明確にすべき」といった指摘が相次いだ。
その他、「改正医療法施行に伴う医療計画や救急救命士の業務範囲の整理」「データヘルス改革に関する工程表」や「専門医に関する広告」「骨太方針2021」などについて、それぞれ関係する検討会での議論の状況を説明した。

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