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2021年8月6日金曜日

いわき市医師会長・木村守和氏に聞く 健康と医療を守る分岐点

 

いわき市医師会長・木村守和氏に聞く 健康と医療を守る分岐点

 
 

 木村守和いわき市医師会長(61)は4日、福島民友新聞社の取材に応じ、同市の新型コロナウイルス感染状況について「市民の健康といわきの医療を守れるかどうかの分岐点にある」と強い危機感を示した。自宅療養者については、「症状悪化の兆候を見逃さない態勢強化が必要だ」と課題を挙げた。

 ―医療現場の状況はどのように変化したのか。
 「患者が連日30人を超え、8月1日時点で病院や宿泊療養施設の(新型コロナ病床の)ベッドはほぼ満床となった。一部の患者の受け入れ先が見つからず自宅で待機してもらった。その後、70人を超える感染者が出たことで状況が悪化した」

 ―感染者が急増した要因は。
 「7月22日からの4連休で市民に気の緩みがみられ、会食やバーベキューで感染した例が目立った。家庭や職場で広がり、感染力の強い(変異株の)デルタ株の影響もあった。4連休や東京五輪の開催で『自粛』のメッセージが強く伝わらなかったことも関係したのではないか」

 ―医療現場はどのように対応しているのか。
 「市内のいくつかの病院で対応病床数を増やすことを検討しており、宿泊療養施設の部屋数の増加も県や市に提言するが、人員の問題もあってすぐに対応するのは難しいだろう。そのため広域での入院調整に期待する部分がある。退院できる人は退院してもらってベッドの空きをつくり、入院が必要な人は入院し、宿泊療養で対応すべきであれば宿泊療養施設と、適切な医療を提供できるように努める。ただ、想定以上の感染拡大により入院調整で自宅療養をしなければならない人が出てきており、対応強化が必要だ」

 ―自宅療養への患者の不安は大きい。
 「市医師会として4月末ごろ、感染者が増えた際に自宅療養に対応できる環境整備に着手した。ただ、子どもが感染して自宅待機する例もあるため、小児科医に相談できるようにするなど、地域や担当科で連携して対応できるように話し合うつもりだ。国も自宅療養への協力を要請しているが、自宅療養は安全だと言えない面がある。入院すべき人を可能な限り見逃さず、適切に対応することが必要だ」

 ―自宅療養時の病状の変化にどう対応するのか。
 「保健所が配布する、血中酸素濃度を測るパルスオキシメーターなどを使って患者の状態が悪くなっていないかどうかを確認する。医師会の医師も電話での聞き取りを行う。夜間の搬送などが行われないようにできるだけ早く病状を把握して入院が必要な人については保健所に連絡して入院を依頼する。血中酸素濃度の低下や熱が高い状態が続いたり、呼吸困難があるなど、どの段階で入院調整につなげるのか、基準をしっかり考えていく」

 ―感染者の急増で通常診療への影響は出ているのか。
 「新型コロナの病棟を新たに用意するためには、ほかの病棟を充てなければならず、少しずつ影響が出てきている。できる限り通常医療を維持しながらコロナ対応をしなければならない。いわき市は、医師の数が少ない中で地域医療機関と医療センターの連携などを密にして対応してきた。今は想定を上回る数。地域医療への影響を防ぐため、これ以上感染者が出るのを避ける必要がある」

 ―市民が注意すべきことは何か。
 「8月中は帰省を控えるなど市内外との行き来を少なくし、人と人が会うことを控えてほしい。普段一緒に生活している人以外との会食も避けてほしい。感染力が上がり、外だから大丈夫という考え方は通用しない。ワクチン接種が進み、医療・介護施設でのクラスターの発生はなくなった。高齢者の感染割合も減り、感染しても症状は軽くなっている。ワクチンが相当効いている。若い人にワクチンを受けたくないという気持ちがあっても、自分がかからないため、感染を広げないためにも、ぜひ接種してほしい」

 ―市医師会としてのメッセージを。
 「市民の健康、いわきの医療を守れるかどうかの分岐点にある。新たなクラスターが発生すれば、状況は一層厳しくなる。絶対に避けたい。人の流れなどの動きを止めても、効果が出るまで2週間程度かかる。市や保健所、薬剤師会、歯科医師会など、いわきの医療界全体で力を合わせて対応している。だからこそ、これ以上クラスターを増やさないために8月末まで(一人一人が)感染防止対策を徹底してほしい」

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