<新型コロナ>自宅療養、拭えぬ不安 県内急増 開業医に危機感 自宅で酸素吸入「本来は異常」:東京新聞 TOKYO Web
新型コロナウイルスの感染爆発で入院がままならず、埼玉県内でも自宅療養者が急増している。療養中に容体が急変し亡くなるケースもあり、健康観察を担う地域の開業医らの危機感は高まっている。流行「第五波」で五十人以上の患者を受け持ってきた安斎医院(狭山市)の安斎博雅院長(47)に状況を聞いた。(近藤統義)
休診日の二十六日午前、安斎さんのスマートフォンが鳴った。自宅療養する二十代女性からの折り返し電話だ。体温や血中の酸素飽和度(96%以上が正常値)などを聞き取り、健康状態を確かめていく。女性は十六日に発症し、熱は下がったが嗅覚が戻らない。「声は出るようになったね」と安斎さんが優しく言葉をかけると、少し安心した様子だった。
安斎医院は約五百ある県の協力医療機関の一つで、自宅療養者のケアを担っている。毎日電話で健康観察するほか、薬の処方や濃厚接触者のPCR検査を、通常の診療と並行して行う。
七月から五十五人の患者を担当し、うち半数ほどが現在も療養を続けている。症状が軽く、仕事復帰を焦る人や健康観察の電話に出なくなる人もいるが、急に悪化するケースは珍しくない。
ある五十代女性は、発症四日目で酸素飽和度が中等症レベルの93%に低下。安斎さんは入院調整を依頼するファクスを保健所に送ったが返事がなく、二日後の夜に「酸素吸入をやってほしい」と連絡があった。
急いで女性宅へ酸素濃縮器を運び込んだが、その家庭では夫と二人の子どもも自宅療養中。「病院やホテルのように整理された空間ではないので、入っていくのは防護服を着ていても恐怖があった」
これまで安斎さんが入院が必要と判断した患者は四人いたが、入院できたのは三十代男性の一人だけ。その男性も、依頼から入院まで五日かかった。患者からは「このまま家にいて大丈夫か」「なんとか入院できないか」と不安が寄せられる。「在宅で酸素吸入している間は気が気でない。本来は中等症患者を在宅で診るのは異常なのに、自分も周りもだんだん感覚的に慣れてきているのが恐ろしい」と安斎さん。
今、最も心配なのは、新学期を迎える小中学校の再開だ。八月に入り、子どもから親への感染例が目立つという。「学校が感染の火種となり、家庭に飛び火する恐れもある。九月いっぱいはオンライン授業にし、その間に親世代へのワクチン接種を加速させるなどの対策が必要ではないか」と指摘した。



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